松泉閣花月shousenkaku kagetsu

AG304 総合評価
原産地への配慮
現地産食材の使用
無添加への取り組み
Point ここがポイントです!

厨房スタッフも魚沼産? 地元素材を知る地元出身の料理人たちが作る料理に変身

ふるさとのように迎えてくれる宿。地場産の素材をいかすため調味料も無添加に変更

「もともとは湯沢町と同じ昭和30年に生まれた木造3階建ての宿だったんです」という松泉閣花月。その後、平成元年に鉄筋の建物になり大型バスや宴会などの需要も多かったのですが、2007年、リニューアルをして家族連れ向けに特化した宿として生まれ変わりました。

キャッチコピーにもなっている「なつかしき心のふるさと」をコンセプトに、お客様のふるさとになるようにと、もてなしにも心を配っています。

「あえて、お出迎えの挨拶も、“お帰りなさいませ”にしているんです」と若女将の富井智子さん。お客様にくつろいでもらえるようにと、接客もあまり堅苦しくならないよう「ホテルというよりは、なんとなく民宿っぽい感じにしています」。

おかげで女将に会いに来る方など常連が多く、中には3世代にわたっての常連さんもいるとか。

「米寿のお祝いができるお宿になりたいなと思っていたんです」との言葉どおり、関東圏から泊まりがけで米寿のお祝いに来たり、その先の卒寿(90歳)、白寿(99歳)のお祝いに来る宿泊客までいるのだとか。現在、それらの方のために、白いちゃんちゃんこや、ピンクのちゃんちゃんこを用意しているのだとか。

世代をこえて親しまれている宿の魅力は、そのあたたかなもてなしと居心地の良さに加えて、料理も大きな要素。

現在の調理長は地元出身の宮澤敏郎さん。10年ほど前から花月の厨房で働いているそうですが、調理長になったのは2年前。

「それからは、社長の意向もあってほとんど地元の食材を使うようにしてきました」。

リニューアル前は三分の二ほどの席数になったとはいえ、まだまだ多い時では100人ほどの料理を作るので、一気に変えていけたわけではないものの、徐々に地元産の割合を増やしてきたのだとか。

写真は、若女将のお姉さんが作っているという、季節の使用食材の地図。わかりやすく親しみがもてると大好評ですが、ここに描かれているように、現在は冬の野菜が少ない季節を除いて、大部分の素材が新潟県産です。

また、加工品や半製品はいっさい使わず、ドレッシングや陶板焼きのタレなども厨房で手作り。漬物なども近所の方が作ったものを使っています。

さらに、2年ほど前から、だしや調味料などもすべて無添加のものへの切り替えを進めてきました。

調理長の宮澤さんは言います。
「それまでは醤油とか味噌とかもまったく意識はしていなかったですね。でも、無添加のものをいろいろと試したり、業者に余計なものが入っていないものをと指定して納品してもらったりして、変えていきました。一番びっくりしたのが味醂ですね。本物を使うと、こんなに味が変わるとは思わなかった」

実は、調理長だけではなく、厨房のスタッフはほとんどが地元出身の方。地元の素材や調理法には詳しい人ばかりです。さらに、若い女性や洋食出身の料理人もいます。

「自分が一人で考えるだけではなく、みんなで考えながらやってるんですよ。良いものがあれば「これやってみな」って作ってもらっています。そうすると本人も真剣になってやりますし、献立にもバリエーションがでますから」

料理人だけではなく、配膳をする人も地元出身者や、地元に嫁いで来た人がほとんどという松泉閣花月。

「最近、ふるさとが無いという人も多いので、そういう方にもふるさとと思ってもらえたら」という若女将の言葉どおり、「故郷に帰ってくる」ような気持ちにさせてくれるあたたかな宿です。

宿泊時の夕食例

和モダンフルコースの初夏のコース

料理は「厳選懐石」「和モダンフルコース」の2種から選べます。写真は人気の和モダンフルコース。和をベースにした創作料理を、畳の上に椅子テーブル席で気軽に楽しめます。

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1.出雲崎蛸のグリーンサラダ
南魚沼産のサラダホウレン草をはじめ、オクラ、紫アスパラ、胡瓜、スナップエンドウ、ほおずきトマト、アボカド、大葉という野菜に、新潟県の出雲崎産の蛸を加えたサラダ。ドレッシングも自家製で、白ごま油に塩昆布、醤油、ワサビを加えたもの。すだちの香りも爽やか。
2. 帆立真丈翡翠冬瓜包み
透明感のある冬瓜の下に見えるのは、帆立を使った真丈。たっぷりの鰹だしでいただきます。あしらいには初夏らしくミョウガとじゅんさいが。

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3. 海の幸の盛り合わせ
新潟・日本海で獲れた鮮魚のお造り。仕入れによって内容は変わりますが、この日は佐渡産の南蛮海老、佐渡産のシマアジ、寺泊産のメバル。
4. 黒崎茶豆の甚太餅
新潟・黒崎地域の名産である黒崎茶豆と、道明寺粉を使った甚太餅。隠し味にヘーゼルナッツシロップが使われています。手前は黒崎茶豆の焼き枝豆。枝豆の濃厚な味わいが楽しめます。上に飾られているのはワイン漬けのクコの実。

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5. 鱸の酒盗焼 夏野菜のピクルス添え
アスパラガスを巻いた鱸を、風味のいい酒盗焼きに。後ろの器に入っているのはカリフラワー、ゴーヤ、ミョウガのピクルス。これも自家製で、甘酢に加えられた柚子胡椒がアクセントになっています。
6. 岩魚の抹茶揚げ
日本海沿岸で作られている笹川流れの塩と抹茶の風味がいい岩魚。二度揚げしてある頭と骨もパリッと香ばしく食べられます。

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7. 越後もち豚陶板焼き
地元産の越後もち豚ロースと、パプリカ、長ナス、白舞茸、カボチャ、ズッキーニなどたっぷりの野菜を使った陶板焼き。タレは醤油ベースに、リンゴ、胡麻、赤ワイン、白味噌、オイスターソースなどで作られた自家製。
8. 越の鶏と丸茄子治部煮
地元の銘柄鶏に、新潟県長岡市の丸茄子をあわせて作られた治部煮。やさしい味わいです。

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9. 魚沼産新米コシヒカリ、なめこ汁、香の物
親戚の家で栽培されている十日町産のコシヒカリを、味噌汁と香の物で。この日の漬物は菊芋の味噌漬けと胡瓜の土佐漬け。
10. マスカルポーネチーズムース 雪下人参ジュレ
隣町である津南産の雪下人参を使ったジュレが色鮮やかなデザート。

お宿・お店のこだわりポイント

調理長になってから、使う食材を地元産のものに、だしや調味料も余計なものが入っていないものにと、少しずつ変えてきました。まだまだ勉強中ですが、伝統的な料理のなかに、少しだけ変わったものを加えて楽しんでいただければと思っています。
松泉閣花月  調理長 宮澤敏郎

審査員の実食おいしさ判定

昆布やかつおの出汁をベースにした料理はしみじみとした美味しさ。「伝統的な料理にほんの少し変わったものを」と調理長はいいますが、奇をてらったものやクセの強すぎるものではなく、広い世代に楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってくる優しい料理です。朝食に毎日作っているできたての豆腐や味噌汁も美味!
2年間で食材や調味料などのかなりの部分を変更したというのは、社長、若女将、調理長の熱意があってこそ。
横尾鮎美

広々とした庭園風呂のほかに露天付きの貸切風呂も


庭園風呂と名づけられた2つの大浴場には、それぞれに大きな露天風呂と内湯が備えられ、柔らかな肌触りの温泉があふれています。深夜に男女が入れ替えられるので、夜と朝で違う風情の風呂を楽しむことができます。唐傘屋根のかかった露天風呂や巨石に囲まれた風呂は広々。
また、貸切風呂も1ヶ所あり、こちらにも内湯と露天風呂がついています。実は、大浴場の方は大人数が使うために、源泉かけ流しとはいえ一部は濾過循環をしているのですが、貸切風呂の方は完全な源泉かけ流し。消毒も一切行っていません。時間は1組50分と余裕があるので、のんびりと温泉を満喫でき、大人気です。

温泉データ
源泉名
湯沢温泉第一配湯所(東映源泉、滝の湯2号源泉、熊野3号源泉)
泉質
単純泉
成分総計
929.4(mg/kg)
湧出状態
動力揚湯
源泉温度
57.9℃
引湯距離
浴場データ
浴場名
使用状態
使用源泉
加水
加温
消毒剤の使用
利用時間
いろはの湯(男女交替制)
放流一部循環式
湯沢温泉第一配湯所
なし
冬季のみ加温
塩素消毒
24時間(0:00〜0:30は男女入れ替えのため閉鎖)
ほへとの湯(男女交代制)
放流一部循環式
湯沢温泉第一配湯所
なし
冬季のみ加温
塩素消毒
24時間(0:00〜0:30は男女入れ替えのため閉鎖)
貸切風呂だんらん
完全放流式
湯沢温泉第一配湯所
なし
冬季のみ加温
なし
14:00〜23:50、6:00〜9:50(50分ごとの予約制。別途1,080円)

落ち着きのある和室の中には露天風呂付きの特別室も


花鳥風月をテーマにした居心地のいい客室


1955年に創業した「松泉閣花月」。現在の建物は1989年に建てられたものを2007年にリニューアル。「花月」という名前は実は花鳥風月の略なのだとか。5階の客室が月の名前、4階の客室は花の名前、3階は鳥の名前で、2階にある食事会場が風の付いた名前になっています。名前だけではなく、5階には月の意匠、4階には花の意匠が加えられていて、気づくとふと笑顔になってきます。 5階には露天風呂付きの特別室が5室あり、ここだけ、チェックインなども客室でゆっくりとできるようになっています。

 

 

施設・設備
創業1955年
本館1989年新築・全28室
トイレシャワートイレ
部屋付き内湯露天風呂付き5室
冷蔵庫あり
AG304 総合評価
原産地への配慮
現地産食材の使用
無添加への取り組み

認定のポイント


◎地元である魚沼地域の野菜などを中心に、食材の6割以上は新潟産を使用。
◎だしや調味料も2年間で無添加のものに大きく変更。タレなども手作り。
◎社長と仲間が作っている雪国A級グルメ認定加工品「からいすけ」も使用。


認定条件
審査
備考
基本条件
雪国の気候風土が活きた美味しい食を自らの宿や店で作っていること。
原材料のすべての情報を公開できること。
雪国観光圏内の食材を積極的に使用していること。
消費者の「安全」と「美味しさ」を第一に考え、原産地や添加物にまで気を配っていること。
「雪国A級グルメ」認定の一次産品、加工品を積極的に使用していること。
1つ星
米に関しては、雪国観光圏7市町村のものを100%使用していること。
野菜と農産物加工品に関しては、雪国観光圏7市町村のものを中心に、自県産を50%以上使用していること。
外国産の野菜や農産物加工品を使う場合には、食の安全性から見た必然性や、調味において不可欠なもの等の理由があること。
素材の味の良さを最大限に生かすために、基本的に化学調味料は使わないこと。
ただし、※の事項については特例として認定する。
※1つ星の特例事項入っていない
・ドレッシングや加工品に添加物や化学調味料が入っている。入っていない
・味噌や醤油、酢、みりんなどの調味料に化学調味料が入っている。入っていない
・漬け物に添加物や化学調味料が入っている。入っていない
・農産物加工品、畜産加工品に添加物や化学調味料が入っている。入っていない
・味噌汁に化学調味料の入った顆粒粒だし、だしパックなどの製品を使っている。使用していない
・味付け海苔や添加物入りの加工品(納豆、もずく、タコワサ等)を提供している。使用していない
2つ星
1つ星の該当条件を満たし、特例事項(※)への該当がほぼないこと。
食肉と食肉加工品に関しては、雪国観光圏のものと、所在地の県産品を積極的に使用していること。
雪室で貯蔵した米や雪室ジャガイモ、雪下にんじん等、雪国らしい素材を積極的に使用していること。
伝統野菜や伝統調味料を積極的にメニューに取り入れていること。
3つ星
1つ星の該当条件を満たし、特例事項(※)への該当がほぼないこと。
農産物は特別栽培農産物や有機JAS、またはそれに準ずるものを積極的に使用していること。
地域をリードする専業農家や農業生産法人、エコファーマーの生産する農産物を積極的に使用していること。
春は山で獲れた天然の山菜、秋は天然きのこなど、その地で穫れた天然の幸を積極的に使用していること。
川魚と食肉、食肉加工に関しては、抗生物質や薬剤をできる限り使わないものを使用していること。
味噌、醤油、みりんなどの調味料は、すべて無添加、天然醸造できちんと作られたものであること。
品質の高いだし素材を使用していること。
畜産加工品や農産物加工品にも添加物が入っていないことを確認して料理していること。
加工品や調味料の原材料と、その品質まで把握するように努めていること。
食材の産地
お米
品種:魚沼産コシヒカリ
生産地:新潟県十日町市馬場地区
社長の実家で育てているお米で、農薬は極力少なく栽培。ほかに新米の季節は1〜2ヶ月間、地元湯沢町産のお米も使用
野菜
新潟県産:里芋(帛乙女)、八色菜、にんじん(京くれない)、アスパラガス、ズッキーニ、糸ウリ、神楽南蛮
外国産:グレープフルーツ、オレンジ、パイナップル
野菜はおおむね新潟県内産を使用。上記にあげた野菜は、五泉市名産の里芋以外はすべて、地元湯沢町や隣接する南魚沼市、津南町、十日町市といった雪国観光圏内のもの。地元の伝統野菜であるかぐら南蛮は、ペースト状にしたものを鍋や調味料などにも使用。
山菜
新潟県産:ウルイ、山ウド、フキノトウ、コゴミ、アケビの芽、コシアブラ、アズキ菜、タラの芽など
山菜は天然ものと栽培もの、どちらも使用。
きのこ
津南町産のなめこ、南魚沼市八色(やいろ)地域の名物である肉厚で巨大な椎茸「天恵菇(てんけいこ)」を使用
加工品
県内産:豆腐、豆乳、こんにゃく

新潟県産の原材料を使った無添加のものを使用
食肉
牛肉:新潟和牛A5等級
豚肉:越後もち豚
鶏肉:越の鶏
新潟県産のブランド肉を使用
魚介類
刺身、焼き物には日本海の魚を、鍋物、焼き物には川魚も使用。ともに新潟県産
調味料
醤油:ヤマサキ国産丸大豆しょうゆー本醸造・無添加・新潟県産
味噌:自家製味噌ー天然醸造・無添加
みりん:甘強 本みりんー無添加・国内産
酢:ミツカン醸造酢ー連続法・国内産
酒:タカラ本料理清酒
塩:笹川流れの塩 ー海水・平釜方式
砂糖:上白糖
油:食用なたね油ー国内産
なるべく無添加のものを使用するように心がけている
だし
かつおー枯れ節・削りパック・国内産
昆布ー日高昆布
朝食のみフタバだしパックー無添加を使用

※実際の食材は仕入れ事情によりこの表と異なることもありますが、実際の宿泊の際におたずねいただければ、すべて産地を公開することが可能です。

DATA
松泉閣花月【新潟県・越後湯沢音円】
〒949-6101 新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢318-5
予約
オンライン予約: 自社公式HP
電話予約:025-784-2540

アクセス関越自動車道湯沢ICから国道17号経由で約5分
JR上越新幹線越後湯沢駅から徒歩約5分
チェックイン・アウトイン14:00/アウト11:00
料金2人1部屋の1名料金(1泊2食、税サ・入湯税込)
平日 15,270円〜
休前日18,510円〜
日帰り利用入浴のみ1,080円(11:00〜14:00)、食事+入浴6,630円〜。
一人宿泊
食事夕食/和食(ダイニングほか)、朝食/和食(ダイニングほか)
客室数28室
お風呂男女交代制大浴場2(露天風呂付き)、貸切風呂1(露天風呂付き)
インターネット接続無線LAN(全館可)
喫煙客室喫煙可、パブリックは喫煙室のみ喫煙可
支払い方法クレジットカード可
定休日なし
FAX025-784-4112
e-mailkagetsu@beige.ocn.ne.jp
食事への対応アレルギー  :アレルギーの度合いにもよるが、要望があれば対応する
糖尿病・高血圧:厳密にはできないができる限り対応する
野菜食    :対応可
※ご希望の場合は、前日までに連絡を。

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松泉閣花月shousenkaku kagetsu
AG304 総合評価
原産地への配慮
現地産食材の使用
無添加への取り組み
住所:〒949-6101 新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢318-5MAP
TEL:025-784-2540
URL:http://www.shousenkaku-kagetsu.com
アクセス:
関越自動車道湯沢ICから国道17号経由で約5分
JR上越新幹線越後湯沢駅西口から徒歩で約5分
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