野菜の9割が自家製! 雪国A級グルメ初の民宿が登場
いまでは貴重な「夢の民宿」
その昔、民宿というのは、安い価格ながらも地元の美味しいものがたくさん食べられました。でも現在はスキー民宿などでの激安競争が進んだため、残念ながら食事は出来合の安い加工品や半加工品を提供する民宿がほとんどになってしまいました。でも、どこかに「夢のスーパー民宿」があるのではないかと思っている人も多いはず。
それがまさに「和風いん越路」。もともと、野菜と米は自家栽培、漬物も自家製のものを何種も作っている「食事がおいしい民宿」でした。6年前に、雪国A級グルメ三ツ星の「越後湯沢HATAGO井仙」で修行をしていた息子の幹雄さんが帰ってきて厨房に入るようになり、さらにパワーアップ。
さらに今回、雪国A級グルメの加入に際して、すべての調味料を見直し、さっそく添加物入りだったいくつかの調味料を変更。自家製野菜のおいしさが際立つようになり、民宿を超えた「料理屋」の味にバージョンアップしました。

野菜は春から秋はなんと9割が自家栽培。冬でも、温度の異なる4カ所の倉庫や雪室に保存しているネギや白菜などを使っているので、6割ほどが自家栽培のものです。これらの野菜を使って漬物を作るのはお母さんの淳子さんの担当。一年を通して自家製の漬物が食膳に並びます。
お米もすべて自家栽培。ブランドとして知られる南魚沼産コシヒカリの中でも、特に美味しい米ができると評判の塩沢にある宿ならではの、もちもちとした美味しい米が食べられます。もちろん、春になれば地元産の山菜料理がずらり。
さらに、調味料のほかにだしも見直しが行われ、いくつかを試した家族会議の末に、だしの素材を変更。野菜の味がさらに引き立つようになりました。
温泉はないですが、建物は平成7年に新築したので客室も浴場も清潔、かつ快適。これで1泊2食8,100円という価格は、本当に夢のようです。
本当は、料理の味的には二ッ星なのですが、民宿なので過大な期待をされちゃうと困るので一つ星にしています。ぜひぜひ、泊まって確かめてみてください。
※注釈。夏休みは合宿などを受け入れているため、合宿の状況によって予約ができないこともあります。また合宿などの料理はA級グルメの基準とは異なります。
宿泊時の夕食例
一泊2食付きプランの夕食コース。自家製野菜がたっぷりと味わえるメニューです。

- 1.トマト甘酢生姜和え
- 自家栽培のトマトと、新生姜の甘酢漬を合わせたもの。生姜の爽やかさとトマトの甘味が楽しめます。
- 2. インゲン胡桃和え
- インゲンを少し固めに茹で上げたインゲンを漬けだしで下味をつけ、甘めに味付けしたくるみの衣で和えてあります。

- 3. タコとキュウリの味噌ドレッシング和え
- 自家栽培のキュウリとタコを、自家製の味噌ドレッシングと刻み茗荷で和えたもの。蛇腹に切り込まれたキュウリは昆布と塩で下味がつけられてい ます。
- 4. よもぎ豆腐
- おばあちゃん直伝の甘味の効いたゴマ豆腐をベースに、春に採ってペーストにしておいたよもぎを一緒に練り上げてあります。

- 5. 枝豆がんも
- 地元の豆腐屋さんの木綿豆腐を使った自家製のがんもどき。もちろん枝豆も自家栽培です。低温の油でじっくり揚げたものを、だし醤油でいただ きます。
- 6. ナス揚げ浸し
- ナスを素揚げにした後に熱湯で余分な油を落とし、よく冷やした漬け出しに漬け味を含ませています。

- 7. ふきのとうグラタン
- 春に採ってペーストにしておいたフキノトウを使ったグラタンに。バジルの収穫できる季節にはバジルを使ったりと、「香りを楽しんでいただけるよ うに仕上げています」という一品。
- 8. もちぶたロース味噌漬焼き
- 地元の名産である越後もち豚を自家製の味噌床に一日漬けこんで焼き上げたもの。

- 9. かぐら南蛮味噌
- 辛味の強い伝統野菜である「かぐら南蛮」を使った、ご飯が進む一品。
- 10. 自家栽培コシヒカリのご飯
- 南魚沼市の中でも特にお米が美味しいと言われている塩沢地域で育てているコシヒカリの炊きたてご飯。自家製味噌を使った味噌汁と一緒に。
- 11. 自家製漬物
- 自家製の漬物。もちろん野菜も自家製。
- 12. クリームプリン
- 地元の養蜂家が作るハチミツとグラニュー糖を合わせて甘味を出し、クリームをたっぷり使ってクリーミーなプリンに仕上げています。