米糀の旨みと香りがふわりと広がる、天然醸造の越後味噌
地味だけれど、味わい深い名脇役
なんという奥ゆかしさ。それがこのお味噌を一口なめたときの印象です。濃くて辛味の強い信州味噌、大豆のコクが持ち味の八丁味噌、まろやかな甘みが特徴の京都の白味噌などなど、味噌には多かれ少なかれ主張がありますが、このお味噌には強い主張がありません。けれど、喉を通ったあとに米糀の旨みと甘みがふわりと広がります。後に残るのはからだに染み込んでいくような天然の旨み。越後味噌の中でも、かなりやさしい味わいです。
さてさて、この奥ゆかしいお味噌は、料理に使うといったいどんな味わいになるのだろうと、まずは基本のお味噌汁で味わってみました。昆布とかつおでしっかりとだしを引き、くせのない豆腐を選んで味噌汁にします。すると、思ったよりも旨みが感じられないのです。あれ、しっかりとだしをとったのにおかしい…。
そこで、毎日このお味噌で味噌汁をつくっているHATAGO井仙「むらのごっつお」の料理長に、このお味噌の特徴について聞いてみました。すると「この味噌には米糀がたくさん含まれているので、普通の越後味噌よりほんの少し甘めです。米糀の旨みがあるので、あまり濃いだしでないほうが美味しくできますよ。だしが濃いと米糀の旨みが抑えられてしまいますから」とのこと。「ちがう味噌と合わせると、抜群の旨みを発揮します」。むらんごっつおでは、同じ地元で造られたほかの越後味噌と合わせて味噌汁をつくり、お客様に出しているそうです。
さっそく、ちょっと薄めにだしを引き、料理長と同じ味噌を使って合わせてみました。すると、湯気といっしょに米糀の香りが鼻をくすぐる美味しい味噌汁ができあがるではありませんか。すっと染み通るような旨みと甘みがあり、具の味もしっとりとなじんでいます。
この『県内素材限定 越後味噌』は、ちょっと主張の強い相方を得て、本領を発揮する名脇役のようなお味噌です。控えめでやさしく、でも、主役を引き立てながら、忘れられない演技をする名俳優のような存在感。和食のほとんどのおかずがごはんに合うように、米糀で造った味噌は、さまざまな食材の旨みをさりげなくつないでくれるのでしょうか。ほかの味噌の旨みも、具から出る旨みも、すべてを引き受け、まとめてくれるような包容力があります。

新潟県産素材で仕込んだ正真正銘の越後味噌
さて、その包容力のある美味しさはどこからくるのでしょうか。その秘密はこだわりの原材料と昔ながらの製法にありました。
県内素材限定 越後味噌は、「んまや」が老舗の味噌蔵とともに、素材にこだわって造った天然醸造の越後味噌です。使用している原材料は、大豆も米糀も塩もすべて新潟県産。新潟県産のエンレイ丸大豆を、魚沼産コシヒカリから起こした米糀と新潟県山北町の笹川流れの塩で仕込みました。その味噌を、味噌蔵で50年来使われてきた巨大な木桶に入れて、魚沼の気候でじっくりと熟成させます。
ひとくちに新潟県産といってもエリアは広いのですが、この味噌のすごいところは、新潟県の中でも、最も美味しいといわれる産地で育った原材料を選んでいるところ。味の要となる米糀は、魚沼産コシヒカリの中でもとくに美味しい米が育つと言われる塩沢地区の無農薬栽培米を仕入れ、そのお米から起こしています。
ところで、販売元の「んまや」は、越後湯沢駅前のお宿「HATAGO井仙」が経営するおみやげ処です。HATAGO井仙の1階にあり、味噌やお米、しょうゆ、お酒、特製スイーツなど、宿で出している美味しいものを販売しています。お味噌のお求めはこちらでどうぞ。贈り物にはもちろん、自分へのおみやげにもおすすめです。お味噌汁をつくるたびに旅の思い出が深まって、とても楽しめます。
おいしさの極意
自然発酵を支える木桶の力
NEWS
味噌蔵の仕込みの様子は
HATAGOリポートでご覧になれます

『県内素材限定 越後味噌』の味噌蔵は湯沢町のお隣、南魚沼市にあります。その蔵の特徴は、なんといっても天然醸造であること。その製法の秘密に、んまやの店長ウメさんが迫ります!
ココがホンモノです!
『県内素材限定 越後味噌』の味噌蔵は、創業以来80年、天然醸造を貫く老舗の味噌蔵だ。天然醸造の味噌は、今では国産味噌全体の1割にも満たない貴重な存在。いい麹菌が棲む80年来の木桶は蔵の宝だ。
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天然醸造 木樽仕込み 『県内素材限定 越後味噌』は、味噌蔵で代々使われてきた木桶にて仕込まれる。味噌蔵にとっていい木桶は宝物。木桶にすむ微生物の働きで、美味しい旨みが熟成される。 |
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重しをして熟成させる んまやでは、昔ながらの製法を大切にしている。仕込みが終わると、木桶に石で重しをして熟成へ。加温することなく自然に任せ、魚沼の気候の中でじっくりと熟成させる。 |
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木桶から出して袋詰めへ 熟成の終わった味噌は、頃合いを見て木桶から出し、袋詰めへ。さてさて、今年はどんな出来なのか。そわそわと心躍る瞬間。 |
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越後伝統の米糀味噌のできあがり しゃもじですくうと、米糀の香りがふわりと広がる。今年もほどよい色味と味わいに仕上がった。 |
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「んまや」で販売 袋詰めして、んまやの店頭へ。原材料に使用している笹川流れの塩も販売中。 |
商品名/内容量/価格 | 県内素材限定 越後味噌 700g 780円 |
原料原産地 | 大豆=新潟県産 米=新潟県魚沼産コシヒカリ 塩=新潟県産(笹川流れの塩) 新潟県産 無添加 化学調味料不使用 遺伝子組換作物不使用 砂糖不使用 |
7大アレルゲン | なし |
賞味期間 | 常温で6カ間 |
販売期間 | 通年 |
放射性物質の検査について | 政府の暫定基準値以内の原材料を使い、政府の出荷禁止品目は使用しません。![]() |
ココで買えます
オンラインショップ | んまやネットショップ |
主な販売店 | 越後湯澤 HATAGO井仙んまや 新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2455 |
お電話で | 025-784-3361(10:00〜18:00) |
ファックスで | 025-784-2013(24時間受付) |

ココが自慢です

新潟の地のものを、その地の作り手といっしょにつくりあげた自慢の味噌です。んまやでは、自然が醸し出す昔ながらの味を大切にしています。といっても、今は、昔ながらの味がわからなくなっている時代。そのような時代に、天然醸造の味を実感してもらいたくてつくりました。米糀は生きているので、夏場や暖かいところでは膨張します。涼しいところで保管してください。
んまや店長 梅澤 美香さん

審査員の実食おいしさ判定
大豆も米糀も塩も、すべて新潟県産のものにこだわった正真正銘の越後味噌です。米糀の香りはしますが、個人的にはまだちょっと若い味噌かな…と思います。せっかくの木桶仕込み天然醸造なのですから、もう少し熟成させてはどうでしょう。ということで、おいしさ判定は一つ星です。
雪国A級グルメプロデューサー 岩佐十良