AG304とは

  • 藩の数だけ守りたい味がある。
  • 永久に守りたい味「A級グルメ」全国プロジェクト。

〝永久〟に守りたい味。それが「A級グルメ」。
2010年、私たちは、こう定義したプロジェクトを始めました。
A級といっても、けっして高級食材を指すわけではありません。「気候風土にあった昔からの食が失われつつある中、その食文化を守り、次世代に残していこう」という自遊人の呼びかけに、雪国の旅館、飲食店、加工食品業者の有志が応えてくれたのです。
「A級グルメ」という考え方は島根県邑南町にも伝播。2011年から邑南町は「A級グルメのまち」を名乗っています。
そして2016年、私たちはこのプロジェクトを全国に広げていきます。それが「AG304」プロジェクト。
AGはA級グルメ(Gourmet)の略。304は廃藩置県直前の府藩県の数です。都道府県という大きな枠組みでは語りきれない、地元の気候風土にあった、食の文化を守ろうという活動です。
ただいま全国から参加施設、参加地域を募集中。
日本の食文化を守り、次世代に残していくために、ぜひともご参加下さい。

なお、AG304では一つ星から三つ星の認定を行っていますが、この星の数は、味の優劣を表すものではありません。農産物や調味料まで含めて地元産品の使用割合、農業生産者と一体化した取り組み(たとえば契約栽培を推進して農家の収入を安定させるなど)、そして最終的な味によって評価をして、認定していますので、ご理解の上でご利用ください。

AG304プロジェクトの先駆けになったのは、2010年に始まった「雪国A級グルメ」です。日本有数の豪雪地が集中する新潟県・群馬県・長野県にまたがるこの地域の観光に携わる有志が、以下のような私の講演内容に共感してくれたことでスタートしました。

現在、旅行の目的を問うアンケート調査を実施すると、ほとんどの結果で「食べ物」が1位になります。この地域は南魚沼産コシヒカリなど言わずとしれた米の名産地であるだけでなく、多くの伝統野菜も残っています。さらに日本酒、味噌、発酵食、保存食など、日本では風前の灯火ともいえる貴重な食文化が色濃く残っている地域です。この地域の食文化を売り出すことが、地域再生の鍵になる可能性は高いはずです。
にもかかわらず、この地域の旅館・ホテルの一部では地元の魚沼産コシヒカリを使用していない現状があります。観光業、飲食店業として全国的に見れば「そんなことは当たり前だ」という意見も多いですが、これは旅行者に対する重大な裏切り行為で、いつかしっぺ返しを受けます。

かけ声だけの〝地産地消〟から脱却しよう。
観光地では地産地消というかけ声が盛んではありますが、実際には表面的なかけ声であることが多く、旅館の食材はもちろん、土産物屋に並ぶ土産の原材料が外国産であることは珍しくありません。たとえば、全国どこにでもある山菜蕎麦に載っている山菜は中国産であることも多く、また、漬物の原材料も外国産であることが多いのです。
食の産地表記や原材料表記などが年々厳しくなっていく昨今において、他の観光地に一歩先んじてこの地域で提供する食べ物だけはこの地域でとれた本物を提供していくべきです。
とはいえ、そもそも、旅館や飲食店の厨房が地元産の使用比率を認識していません。野菜も魚も中央市場経由が当たり前となった現在、八百屋や魚屋に注文した野菜や魚の産地がどこなのか、わからなくなっています。まずは足下を見直して、それぞれが使っている食材がどこから来たものなのか、しっかり認識するべきです。

真の農商工連携を目指そう。
観光の鍵が〝地域の食文化〟になれば、おのずと農業生産者も潤います。観光と農業が密接に連携していくことができるはずです。
さらに、これらがうまく機能することにより、観光・農業だけではなく、地域の農産物加工業者や食品加工業者にも新たなビジネスチャンスが生まれ、それにより真の農商工連携が生まれます。
国は農業生産者の六次産業化を推進しようとしているが、理論的には一見正しくみえても、実際に農業生産者が加工販売まで手がけるという理論には無理がある。本来、農業生産者は農業技術の向上を第一に考え、加工業者、販売者もそれぞれプロの仕事に徹するべきである。
雪国A級グルメが本当に機能すれば、農産物の価格は域内で上がり、農業生産者にとって大きな恩恵になります。一方、観光事業者や加工業者にとっても農産物で観光客を呼べるようになれば、農産物が数割値上がりするくらいはまったく経営に影響がない。つまり、三方すべて良しとなります。
そしてそれが地域を〝永久〟に持続させていく重要な鍵になるのです。

こうして、何度となく行われた勉強会の結果、「本当に地域のものだけを使って」「食文化を大切にして」「本当に美味しい料理を提供している宿や店」だけが加盟できる認定制度をスタートしました。
「食」の品質保証・保持と情報公開に、県という枠組みを越えて地域で取り組んだ日本初のプロジェクトです。
真の農商工連携、真の地方創生を考えるからこそ、「食材の産地を公表できること」、つまり、提供している自分たちが使用している食材をすべて把握することを重視し、また、農産物の付加価値として〝味〟を第一に考え、野菜の繊細な味がわかる料理を提供するために、味の濃い化学調味料などの添加物を極力使用しないようにと規定しています。

また、その考えは、島根県邑南町にも伝播しました。
2013年、私は島根県邑南町で住民参加型の「邑南A級グルメ」ワーキング会議の座長をすることになりました。
邑南町は石橋良治町長が「A級グルメ立町」を打ち出し、町ぐるみでA級グルメを推進していますが、「A級グルメ」の基準があいまいで、農業生産者と商工業者、行政の間に認識のズレによる溝が生じていました。私の役割は、農業生産者や加工業者、住民の方々がなにを「A級グルメ」と考えているのかをまとめ、農産物、加工品、飲食店の基準をつくること。毎月1回の会議はいつも盛況で、たくさんの住民が委員として参加し、この年、「邑南A級グルメ」の枠組みが決まりました。

現在、AG304では新規加盟の募集をしていますが、市町村や、旅館組合、商店会などの団体単位の場合は、こうした「地域ごと」の認証設定も可能です。

地方創生の鍵となる、観光業や農業、商業の連携を目指す行政担当の方々、組合、団体の方々、ぜひともAG304への加盟をご検討ください。

AG304総合プロデューサー
岩佐十良

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